ここではFDTD法を理解する上で必要となるマクスウェルの方程式を簡単にまとめておくことにする。電界をE [V/m]、磁界をH [A/m]、電束密度をD [C/m2]、磁束密度をB [T]とし、その源である電荷密度、電流密度をそれぞれ ρ[C/m3]、J [A/m2]とすると、微分形式のマクスウェル方程式は
(1-1)
(1-2)
(1-3)
(1-4)
で与えられる。式(1-3),(1-4)はそれぞれ、式(1-2),(1-1)の両辺の発散をとり、これに電荷保存の法則
と初期条件(=0)を代入することによって導かれるもので独立な式ではない。
FDTD法においてもファラデーの法則(2.1)とアンペールの法則(1-2)を基本方程式とし、ガウスの法則(1-3),(1-4)は使わない。FDTD法の定式化は主に微分形式のマクスウェル方程式(1-1),(1-2)を用いて行われる。