本研究では、マクスウェルの方程式をFDTD法と呼ばれる方法を用いて数値計算を行うことにより、光の伝播をシミュレートすることを試みました。ここでは、このFDTD法について、その原理およびマクスウェルの方程式への適用法について説明します。
FDTD法とは、微分方程式を差分化し、時間領域で解く方法です。FDTD法では、まず解析領域全体を微小直方体「セル」に分割し、次に全セルに対してマクスウェルの方程式を適用して定式化を行います。その基本はYeeアルゴリズムと呼ばれる手順からなります。以下、マクスウェルの方程式とYeeアルゴリズムを構成する3ステップを順次説明します。
マクスウェルの方程式
Yeeアルゴリズム
Step1) 時空間についての差分
Step2) 電磁界の時間配置
Step3) 電磁界の空間配置